くせ毛さんのパサつきとツヤ不足の原因はまさかのヘアオイルかも
乾燥やパサつきは、くせ毛さんの代表的な髪悩みです。そして乾燥した髪にツヤを与えるため、毎日ヘアオイルを愛用している方も多いのではないでしょうか。ヘアオイルには「髪がツヤツヤになる」「指通りがよくなる」といった実感や、「天然由来のオイルもあって髪によさそう」といったイメージがあります。
しかし、髪を美しく見せるために使っているヘアオイルが、さらなる乾燥を招いている可能性も少なくといわれているのです。
本記事では、ヘアオイルが及ぼす影響について解説します。
ヘアオイルが髪に与えるツヤは一時的？
ヘアオイルをつけると髪にツヤが出て、手触りもなめらかに感じます。ワックスほどのスタイリング力はありませんが、パサつきを抑え髪に自然なツヤを出したいときなど、手軽に使えるのもヘアオイルの魅力です。
しかし、ヘアオイルをつけることによって感じる潤いやツヤは、一時的なものとされています。またヘアオイルに含まれる油分が紫外線などによって酸化してしまうことも少なくありません。ヘアオイルの主成分は当然、油であることからシャンプー時には水分を弾きやすいとされます。ホコリなど他の汚れのように予洗いだけでは落ちにくく、シャンプーをしっかりしないと頭皮に残ったヘアオイルが頭皮や髪にダメージを与えることも。さらに長期間の使用により蓄積されたヘアオイルがゴワつきや髪の乾燥を招くケースもあり、それに気づかず「乾燥→ヘアオイル→新たな乾燥」といった悪循環を引き起こすこともあるといわれています。
肌と同じく美しい髪には水分が必要
しっかりと乾いた状態の髪は触れても水分を感じにくいため、「髪の水分」と聞いてもあまりピンとこないかもしれません。しかし美しく健康な髪には肌同様に水分が必要とされます。
髪の毛の構造は3層で、外側からキューティクル・コルテックス・メデュラとなります。メインの構成成分はシスチンというアミノ酸からなるタンパク質であり、そのほかは脂質やメラニン、水分が含まれ、健康な髪の水分量は約10～15％とされています。この水分量が下回るとパサつきや乾燥によって、くせ毛さんのハネやうねりが引き起こされ、当然ツヤも失われるといえるでしょう。
また、髪のツヤを補うためにヘアオイルを過度に使用するとシャンプー時に落としきれなかった油分が、さらなる乾燥を招くこともあるといわれています。またオイル成分によっては紫外線などの熱を吸収しやすく、髪の水分が奪われることもあるためヘアオイルを使用する際は注意が必要です。
落ちにくいヘアオイル成分でキューティクルダメージ
キューティクルは、髪の一番外側にある、角化したタンパク質でできたものです。健康なキューティクルの表面はウロコのように重なって髪の内部の水分などをしっかり保つ役割を担います。
しかし、このキューティクルは摩擦や熱などの外部刺激に弱く、すぐに開いてしまいます。キューティクルが開くとバリアに穴が開いたような状態となり、髪内部の水分などが流出することでさまざまな髪ダメージを受けやすくなるといえるでしょう。
髪の摩擦は主にシャンプー時に起こることが多いとされています。落としにくいヘアオイルを使用することで無意識のうちに強い力で髪を洗うほかに、油分を流すために熱めのお湯で何度もすすいでしまう、といった髪への負担も考えられます。
美しく健康な髪を保つために、ヘアオイルを使用した際はいつもより丁寧なヘアケアを心がけましょう。
くせ毛さんほど乾燥には要注意
「くせが強くなるのは湿気が多いとき」という経験から、くせ毛のケアとして水分が必要とアドバイスをされ不安になるかもしれません。しかし、髪の毛の構成成分を考えると必要なのは油分よりも水分といえるでしょう。ヘアオイルなどの油分より、潤いをしっかり与えることが大切です。
シャンプー剤は頭皮と髪に潤いを与える成分が配合されたものを選び、過度な摩擦での洗髪をしないよう注意が必要です。ヘアオイルを使った際は頭皮に付着した油分を落とすために頭皮を優しく洗い、髪内部に水分や美容成分を届けるトリートメントで丁寧にケアすることで、パサつきやくせ毛を抑えましょう。
くせ毛が強くなったらヘアオイルは一度お休み
ヘアオイルを長期間使って万が一「くせ毛が強くなった」「前よりひろがった」「髪がパサパサでまとまりにくい」と感じたら、髪が水分不足に陥っていることも少なくありません。油分によってコーティングされた髪は表面的にはツヤツヤしていても、ヘアオイルの成分が頭皮や髪に合わず、乾燥を引き起こしているケースもあるとされます。くせ毛が強くでるようになった際は、ヘアオイルや油分の多いヘアケア製品は一度お休みをして様子を見ることも大切です。
頭皮と髪に必要なのは油分でなく水分です。正しい知識と丁寧なヘアケアで潤いのある健康的なツヤ髪を目指しましょう。